2020年5月9日公開
2020年5月26日改訂(中間報告へのリンクを追加)

特定非営利活動法人ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)は、西アフリカのリベリア共和国において手掘りダイヤモンド採掘労働者が採掘したダイヤモンドを、公正な値段で取引ができるよう、能力強化、組合組織化等による自立支援に向けた支援を行っています。

リベリアでは、14年間続いた内戦が2003年に終息し、復興から発展への道を歩みだしたところ、2014年から2015年のエボラウイルス病の大流行により、史上最大規模である4,800名以上の死者を出し、国の未来を担う多くの人材が失われました。内戦からエボラとたくさんの痛みを乗り越えてきたリベリアは、新型コロナウイルス感染症により、更に大きな困難と痛みに直面しています。

世界保健機関(WHO)は人口1,000人あたり2.3人以上の医療従事者(医師、看護師、助産師)が必要としています[1]。一方、内戦とエボラウイルス病等で貴重な医療従事者を失ったリベリアには、人口480万人[2]に対し医師が261人[3]しかおらず、単純に計算すると、人口18,000人を1人の医師が担当していることになります。また、新型コロナウイルス感染症の重症者が必要とする人工呼吸器ですが、リベリアにはたったの6台[4]しかありません。

このような状況を鑑みると、新型コロナウイルスに感染し重症になった場合、治療を受けることが非常に困難であることが予想されます。そのため予防が最も重要です。

日本にいるとアフリカは遠く離れた自分とは関係ない地域のように感じるかもしれません。しかし、アフリカでの感染拡大を放っておくと、コロナウイルスの欧州型が今日本で感染拡大しているように、ウイルスが変異したアフリカ型が、近い将来世界中で流行するリスクがあります。ワクチンを作ったとしても、遺伝子が変異したウイルスには効かない可能性もある[5]とのことです。

私たち自身の命そして世界の人々の命を守るために、私たちは一丸となって、今、この危機を乗り越えていく必要があります。

●ダイヤモンド・フォー・ピースによる緊急支援活動

私たちはリベリアにおける新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急支援として、複数回の支援活動を予定しています。

1次緊急支援(実施済、中間報告はこちら

ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリアオフィスが所在するマギビ州カカタ市マンディンゴ地区で、手洗い設備を持たない特に貧しい70世帯に対し、衛生用品(手洗い用バケツ、石けん、布マスク)の配布、新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報の提供、および衛生指導を実施しました。また、配布後にモニタリングを実施し、正しい方法で手洗いを行っているか等を確認し、必要に応じて石けんの配布や衛生指導を再度行っています。

2次緊急支援

リベリア国内における交通封鎖が解除された後に、ダイヤモンド・フォー・ピースが活動対象としているバポル州ウィズア村の中でも特に貧しい人々(採掘労働者や村人)に対して、同様に衛生用品の配布、情報提供、衛生指導、モニタリングを実施します(現在、現況を調査中)。

第3次以降は、頂いた寄付額に応じ、手掘りダイヤモンド採掘地域で同様の支援を実施していきます。

皆さまのご支援により、1家族あたり衛生用品キットを2,500円で配布することが可能です。ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

2,500円で衛生用品一式を1家庭に支援できます。

手洗い用バケツ

石けん

布マスク(家族全員分)
1家庭平均8名

 

【寄付のお振込先】

ゆうちょ銀行 〇二八支店(ぜろにはち支店)
普通 5346812
口座名義 トクヒ)ダイヤモンドフォーピース

※寄付者様への報告のため、また、寄付者名簿の作成が所管庁より義務づけられているため、本ページ末尾のフォームへの入力・送信をお願いします。クレジットカード決済をご希望の方は、末尾のフォームの支払方法でクレジットカードをご選択ください。後ほど、オンライン決済可能な請求書をメールで送信します。

衛生用品配布準備

世帯主への説明

●経済協力開発機構(OECD)責任ある鉱物サプライチェーンに関する市民社会ネットワークの声明

OECDは、「OECD紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュ-・ディリジェンス・ガイダンス」の策定・普及を通し、透明性が高く人権・環境に配慮した鉱物の責任あるサプライチェーンを推進しています。また、その一環として「責任ある鉱物サプライチェーンに関するフォーラム」を毎年開催しています。同フォーラムを通して市民社会ネットワークが形成され、ダイヤモンド・フォー・ピースもその一員となっています。

世界の採掘労働者の83%が、小規模な鉱山での採掘で生計を立てています。新型コロナウイルス感染症の流行以前も彼らの生活は脆弱であり、現在はさらに悪化しています。この状況を打破するため、同市民社会ネットワークは政府、金融機関、国際機関、民間企業等に早急かつ協調的な行動をとることを求める声明を発表しました。ダイヤモンド・フォー・ピースもこの声明に賛同しています。

●リベリア人現地スタッフによるリベリアの現状レポート

先進国やリベリアの隣国であるコートジボワールとギニアでのコロナウイルス感染症発生のニュースは、リベリアの国境管理が貧弱かつ保健医療システムが脆弱であることを知っている私たちを恐怖に陥れました。リベリア政府は、ウイルスの侵入を防ぐために、国境を閉鎖し、いくつかの安全対策を講じました。しかし、その努力もむなしく2020年3月16日にリベリアで初の陽性反応者が出たと公式に発表されました。リベリア政府職員が出張で訪問したスイスから帰国後にウイルスの陽性反応が出たのです。これをきっかけとして首都から他の地域にも感染が広がり、2020年4月30日現在、151人が感染していると発表されています。

リベリアでの感染が発表されて以来、政府はウイルスを封じ込めるために複数の対策を講じてきました。3月16日、政府は近隣諸国との国境を閉鎖し、すべての学校、教会、モスク、娯楽センター、不要不急でない事業を行っている企業などの閉鎖を命じ、10人以上の人が集まる集会や冠婚葬祭を禁止しました。4月8日、政府は非常事態宣言を行い、15州全州を隔離し、国全体を封鎖し、国民に自宅待機を義務づけました。

カカタ市にあるブッカー・ワシントン職業訓練校前で警察が検問を行う様子

 

私たちは政府や保健当局から、常に以下を行うよう指導されています。
・石鹸ときれいな水で頻繁に手を洗うか、アルコールを原料とする除菌剤を使用する。
・咳やくしゃみをしている人から安全な距離を保つ。
・咳やくしゃみをするときは、肘を曲げた状態で鼻と口を覆うか、ティッシュで覆う。
・目や鼻、口をこする前に、石けんときれいな水で適切に手を洗う。
・発熱、咳、呼吸困難がある場合は、直ちに医師の診察を受ける。
・保健医療当局の指示に従う。
・医療機関への不要な訪問を避ける。

石けんときれいな水で手を洗うことは、医学的な観点からウイルスへの感染を防ぐための最も効果的な方法の一つであるとされています。しかし、これらの予防策を実践することが不可欠である一方で、多くの恵まれないリベリア人の中には、除菌剤や手洗い用のバケツ、顔や鼻を覆うマスクなどを購入する余裕がない人もいます。このような状況でウイルスの感染や蔓延を防ぐことは容易ではありません。

市民の反応と課題

リベリアは最貧国の1つであり、多くの国民が1日1食の食事しか食べられず、その1食分の食事を得るために毎日働かなければなりません。多くの人々は、緊急用の食料を購入することができず、また、ウイルスと戦うために必要な物を購入するための資金もありません。政府の予防策に反していますが、食料を求めてマスクをせずに路上や市場に群がっている姿が見られます。

政府による予防策の発表後にも関わらず、首都のレッドライト市場で普段と同じように売買する人々(2020年4月15日撮影)

マーティンさんの生活

ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリア職員の私は、オフィスがあるマギビ州カカタ市のマンディンゴ地区に住む60歳のマーティンさんに会い、話を聞きました。マンディンゴ地区には約6,000人が暮らしています。マーティンさんは結婚しており、4人の子どもと孫がいる11人家族です。マーティンさんは貧しい家庭の出身で、1970年代後半に小学5年生を終え中退しました。彼には特にこれといったスキルはなく、家族を養うために日雇いの仕事をしています。彼がよく行う仕事は、井戸や浄化槽を掘ったり、草刈りをするなどの肉体労働です。マーティンさんによると、彼の平均月収は約5,000円で、家族は一日に一食しか食べられず、時には何も口にできない日もあるそうです。

インタビューに応じるマーティンさん(右)

彼の妻は読み書きができません。草刈りなど女性でもできる仕事を見つけると、時々彼を助けてくれます。家計を支えるために、時には野菜を仕入れて売ることもあるそうです。マーティンさんは、子どもの教育費を払う余裕がほとんどありませんが、子どもたちを教育することが彼の最大の夢なので、とても心配していると言っていました。彼は子どもたちに貧困を断ち切って欲しいと思っていますが、彼の収入が非常に低く安定していないことを考えると、これは深刻な課題です。

長男は現在36歳で、一人で毎日の生活の糧を見つけ、自分の面倒を見ていますが、まだ9年生(中学3年生)です*。現在は学校に通っていませんが、復学したいそうです。

長女は現在26歳ですが、学校に通ったことがありません。これは、マーティンさんが子ども全員の学費を払う余裕がないことと、女性なので母親の家事を手伝うために家にいなければならないと考えているからです。 次男は現在16歳で7年生(中学1年生)、三男は5歳で幼稚園に通っています。
*リベリアは内戦や貧困により、学齢期に義務教育を受けられるとは限らないため、義務教育を受けられる年齢制限はありません。

マーティンさん(中央)、26歳の長女(左)、5歳の三男と孫たち

マンディンゴ地区の他の多くの家族のように、この家族は、新型コロナウイルス感染症の流行により、さらなる経済的打撃を受けています。ウイルスとの戦いのため、政府は非常事態宣言を出し、人々の移動を禁止しています。この状況では、マーティンさんは仕事を求めて外に出ることができず、家族は近所の人や友人からの助けを頼りになんとか生活しています。もし外出する手段があったとしたら、いつ終わるかわからないこの危機の中、自分の家族のために少しでも蓄えておきたいと思っています。

自宅前でマーティンさんと家族

新型コロナウイルス感染症はすべての人に関わることであり、ウイルスとの戦いに勝つためには、人々が一丸となって戦う必要があります。しかし、リベリアでは、ウイルスと戦うために必要な物を購入できない家庭が多いため、誰もが予防策を実施できるわけではありません。感染の蔓延や死者数の増加を防ぐため、ご支援をよろしくお願いいたします。

2,500円で1家庭を支援できます

【寄付のお振込先】
ゆうちょ銀行 〇二八支店(ぜろにはち支店)
普通 5346812
口座名義 トクヒ)ダイヤモンドフォーピース

※寄付者様への報告のため、また、寄付者名簿の作成が所管庁より義務づけられているため、下のフォームへの入力・送信をお願いします。クレジットカード決済をご希望の方は、支払方法でクレジットカードをご選択ください。後ほど、オンライン決済可能な請求書をメールで送信いたします。

下のフォームに入力・送信をお願いします。

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温かいご支援をありがとうございます!

【関連ページ】

経済協力開発機構(OECD)責任ある鉱物サプライチェーンに関する市民社会ネットワークの声明(2020年5月13日)

リベリアにおける新型コロナウイルス感染症緊急支援中間報告 (第1次緊急支援)(2020年5月26日)

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[1] 世界保健機関 2016年“Health Workforce Requirements for Universal  Health Coverage and the Sustainable Development Goals”より

[2] 世界銀行 https://data.worldbank.org/country/liberia

[3] リベリアMinistry of Information, Cultural Affairs and Tourism http://www.micat.gov.lr/ 

[4] The New York Times 2020年4月 “10 African Countries Have No Ventilators. That’s Only Part of the Problem.” https://www.nytimes.com/2020/04/18/world/africa/africa-coronavirus-ventilators.html より

[5] 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信 https://www.covid19-yamanaka.com/cont4/32.html 

 

写真:ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリア撮影