リベリアの新学期の恒例行事と新型コロナウイルスの影響

 

新学期の祭りは、小・中・高・大学で催される人気のある行事です。その名のとおり学期の始めに開催され、学校に戻ってきた生徒を歓迎し、休暇後の新たな学校生活に向けたウォーミングアップをします。イベントは、9月〜11月に開催されることが多く、生徒たちのやる気を引き出し、勉強を再開する気持ちを高めることから、生徒たちはよくイベントの話題で盛り上がります。イベントは、たくさんの楽しみをもたらすので、生徒たちはイベントへの参加にとても熱心で、見逃すことはありません。

リベリアの新学期の祭りには、各校毎にさまざまな催しがあります。ダンス大会、スポーツ大会、スピーチ大会などの屋内イベントを開催する学校もあれば、スポーツ大会を通して楽しく遊ぶ学校もあります。他にも、クイズ大会を催し、生徒たちの頭脳を活性化させる学校もあります。

新学期の祭りは、アムセー・アカデミー小学校でも開催されます。アムセー・アカデミー小学校はリベリアの首都から車で2時間ほど離れたカカタ市にある私立の小学校です。

 

ダンス大会

リベリアの人々にとって、踊ることは一つの文化とも言える身近なものです。パーティーやイベントでもよく踊りを楽しみ、踊りを特技にする人もたくさんいます。ダンス大会は踊りの特技を披露できる最高のステージです。参加者は、様々なダンスの技を見せて、観客を楽しませてくれます。新学期の祭りでも、ダンス大会は、祭りを盛り上げます。ダンスの参加者はそれぞれの支援者から応援をもらいながら、ダンスの技を披露します。ダンスパーティーには誰でも参加できますが、ダンス大会に参加する人にはとても注目が集まります。

ダンス大会に参加する子どもたち

スポーツ大会

スポーツ大会は新学期の祭りの見どころの一つです。リベリアでよく遊ばれるスポーツは2つあり、サッカーとキックベースボールです。サッカーは主に男の子が、キックベースボールは女の子がよく遊んでおり、リベリアでは特に女の子のゲームとして認知されています。キックベースボールは、攻める側と守る側のチームに分かれ、ボールを「蹴る・捕る」ゲームです。一つのチームがキッカーとなり、ボールを蹴って、ホームランまたは点を取るために、4つのベースを目指して走ります。キッカーチームのプレイヤーがボールに当たらず、本塁まで完走すれば、チームに点が入ります。もう一方のチームは守備側として、キッカーが蹴ったボールをうまく捕球し、走っているキッカーに当てればアウトをとれます。守備チームはノーバウンドでの捕球や、ベースを目指して走っているキッカーにボールを当てることでもアウトにさせることができます。アウト3回でラウンドが終了し、攻守交代というルールになっています。子どもたちは新学期の祭りのスポーツ大会をとても楽しみます。

キックベースボールを楽しむ女の子たち
サッカーを楽しむ男の子たち

屋内イベント

屋内でのメインイベントはクイズ大会です。学校でよく開催されるクイズ大会は2チームまたは2人組で対戦します。出された問題に対し、挙手して早く解答権を得たチームが優先的に答えることができ、正解したチームには点数が入ります。一方、問題に正解できなかった場合、解答権が相手チームに移り、得点の高いチームが勝ちとなります。クイズ大会のチームのメンバーは低学年から高学年までの生徒の混合チームで構成され、ほとんどの問題が言葉の綴りや時事問題についてです。

クイズ大会で解答権を争って手を挙げる生徒たち
クイズ大会で問題に答える生徒

学校は勉強のための場所かもしれませんが、楽しみを織り交ぜながら行うことで、学習がより効果的になります。教職員はその点についてよく理解しており、通年でスポーツや交流イベントを設けています。また、学校間のサッカーやキックベースボールリーグに参加したり、他の学校のタレント大会にも参加します。タレント大会は、子どもたちが自分の特技を見せることができるイベントです。また、この他多くの学校で、特別な祭日には、市中でパレード行進をしたり、屋内イベントやスポーツ大会を開催しています。新学期の祭りは生徒たちにとって、学校生活を楽しむイベントの一つなのです。

新型コロナウイルス感染症の影響

他の学校と同様、アムセー・アカデミー小学校は、新型コロナウイルス感染症の影響で休校中です(2020年9月現在)。生徒たちは、自宅で勉強しており、保護者が週に一度、終えた課題を学校に提出し、新たな課題を自宅に持ち帰ります。平常時、新学期は9月から始まりますが、今年の新学期は12月から始まる予定です。

 

冒頭写真:アムセー・アカデミー小学校の新学期祭りに参加した子どもたち(DFP所有)