ひとつの国にひとつの国民といいますが、15州にわたり16の部族がいるリベリアではそれぞれの部族に特別な生活様式があります。彼らは異なる地域に住み、その土地を所有し、様々な点でお互いに異なっています。例えば、話す言葉や文化的慣習、食べ物などが異なります。米はリベリアの主食ですが、調理方法は部族により様々です。他の食べ物、例えばキャッサバ、タロイモ、プランテーン(調理用バナナ)などもそうです。これらの食べ物も部族ごとに異なる特別な方法で調理されます。
部族によって好きなスープも異なり、それぞれ特別な調理方法があります。ロマ族を例にとってみましょう。彼らは部族の方言で「トッポギー」と呼ばれるスープが好きです。白飯と一緒に食べ、ビターボール(後述)、豆、唐辛子、キャッサバの葉などと一緒に調理されます。ビターボール(ナスを小さくしたような見た目で、あくが強く苦い)と煮込めばビターボールのトッポギースープ、豆と煮込めば豆のトッポギースープ、キャッサバの葉と煮込めばキャッサバの葉のトッポギースープです。唐辛子と一緒にも調理され、その場合には本当にたくさんの唐辛子が使われます。そのようなトッポギーはとても辛く、唐辛子を食べることに慣れていない人は特に食べるのが大変です。しかし、ロマ人は体の中から温まりたいときによくこれを調理します。他のリベリア人も定期的にトッポギーを作って食べています。
このようなスープは以下の方法で調理されます。
- 少量の食用ソーダ(重曹)と一緒に豆をゆで、その後に、塩、マギーブイヨンのキューブ、唐辛子、ヤシ油、玉ねぎ、乾燥させた肉や魚などを加えます。
- 豆が十分煮えたら、火からおろし食用ソーダを追加します。これがスープに特別な風味を与え、他の豆のスープとは違った味にする調味料です。
食用ソーダを加えると、スープがとても泡立ちます。このようにしてトッポギーが作られます。ロマ族の人ならばこれを食べるととても満足した気分になります。
ロマ族の女性はお尻が大きいことで有名ですが、いつも食べているトッポギースープの泡立つ性質のせいで大きいのだと冗談で言われています。
冒頭写真:豆のトッポギースープ