路上での商い:リベリアの人々が生き抜く方法

これはあなたの国で一般的ですか? また、あなたの住む場所で起こりますか?

私の住む国リベリアは、14年間続いた内戦の復興期にあります。紛争により国土の多くは荒廃し、経済は大打撃を受けました。しかし、どんな状況でも人生は続いていきます。人々はできる限りの方法で自身の生活を立て直そうと奮闘しています。路上販売は多くのリベリア人にとって生活を支える手段の1つです。

リベリア人にとって日々の食料を探すことが最も優先順位の高いことです。政府も企業も、全ての人に仕事を提供することは難しく、多くの人々は生きるために自らビジネスを始めることになります。農業をするために地方に戻る人もいれば、自営業を始める人もいます。いずれにせよ、人々は生きていくために必死で生活の糧を探すのです。

なぜ、路上での商売を始めるのか

その理由はいくつかあります。

  1. 単に品物を売って、日々の生活を支えるためのわずかな利益を得るため
  2. 市場には多くの販売者がおり、競争が激しい
  3. 多くの労働者や車での通勤者は、通勤時に店に寄って商品を購入する時間が無く、路上から必要なものを購入している
  4. 開発途上国であるリベリアでは、全ての販売者に商品の販売場所を整備する能力が無いこと
リベリア、路上販売
路上販売者は、車の間商品を持って移動します

販売している商品

路上で何を売るべきか、彼らはよく分析しています。顧客が何を最も購入するか気づいているのです。交通渋滞は路上での販売者にとって最もいい商機です。渋滞や赤信号で車が減速したら、チャンスであり、商品を売るために車の間を迅速に動きます。赤信号で停車している間、運転手らは特になにもすることがないため、商品に興味を示します。販売しているのは、菓子、食品、冷たい水、パン、タッパー、その他持ち運びが容易な家庭用品です。

路上での商売に伴う危険

他の路上販売者との競争のため、周りの車に十分な注意を払わず競合者より先に顧客のもとに向かおうとするため、事故の危険性があります。人々は商品購入に際して路上に駐車したり、車を降りないため、販売者は道の中央に立っていることが多くなります。販売者は道路上に立って、顧客が来たらすぐに迎える状況を作っているということは、毎日、命の危険と隣り合わせであるということです。また、商品を壊すリスクもあります。車の前の道路に商品を落としたら、車に引かれて商品が壊れる可能性が高くなります。それにより、商品ロスが生じるのです

児童労働

驚くべきことに、10 歳程の子どもたちも、命を危険にさらし、学校に行く時間を奪う路上での商売を行っています。これは児童労働の問題で、児童の保護を行うべき政府や国際機関は対策を打つ必要があります。彼らの両親は何をしているのでしょうか。親がいないのでしょうか。いいえ、そうではありません。両親はいますが、彼らの両親は子供たちを養うことができないのです。両親を支えるため、一家の稼ぎ手となっているのです。「貧困」は子どもが路上での商売を行う大きな要因です。

路上販売による影響

路上販売による収入は人々の大きな収入源となっていますが、他方で悪影響も及ぼしています。市場の混雑は多くの商人を路上での商売へと誘ったため、多くの人々や車は道路を自由に通行できなくなっています。首都モンロビアのレッドライト地区やドゥアラ地区のような場所では、路上販売人により道路を占拠されています。路上販売で混雑している時間帯にそのような場所の道路を通行しようとすれば、通り道を探すのが一苦労です。

 

一輪車に商品の野菜を乗せ移動販売を行う路上販売者たち

警察の努力

警察は人々が道路を自由に通行できるように整備する権限を持っていますが、状況は困難です。日常的に、警察は路上販売者を追いかけていますが、状況を変えるには不十分なようです。警察はいつも路上販売者を道路外に追い出すようにしていますが、警察がいなくなればすぐに路上販売者は戻ってきます。また、警察は路上販売者の商品を押収していますが、 状況を変える要因とはなっていません。まるでゲームのように競っており、とてもドラマチックな光景です。

政府関係者らは、全ての労働者が商品を売り買いできるような市場を建設する戦略を立てる必要があります。それにより警察の業務量は緩和され、人々が市場内を自由に動ける状況を作り出すでしょう。

 

冒頭写真:道路上で商品を車内にいる客に見せる路上販売者たち