公衆トイレの必要性

ウィズア村の歴史

ウィズア村はリベリア西部のバポル州に位置する自治体で、5000人以上の人口を抱えています。比較的多い人口と言えますが、この地域は長年に渡り豊富な埋蔵量のダイヤモンドに恵まれており、多くの人々を引きつけ、人口増を続けてきました。住民の出身地はリベリア全土に渡っており、近隣諸国(ギニア、シエラレオネ、コートジボワールなど)からダイヤモンド目当てに移住する人もいます。住民は金とダイヤモンドの採掘で生計を立てており、農業従事者や小規模事業者などはごく少数となっています。

ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリアでは、ウィズア村の住民達が安全な水やトイレについて問題意識を持っているため、皆が現状を評価し共通理解を持てるように、地図の作成ワークショップを実施しました。地図を作成すると、村が持つ多様な特色を理解できるようになります。村内にどんな施設があるかを把握し、それらの施設を住民がどのように利用しているかを可視化することができます。このワークショップの結果、住民が自分たちの村の強みを理解できたのと同時に、弱い部分をどう改善したらいいか、アイデアを生み出す上でのヒントになりました。

村の住民が集まって屋外での排便の影響について議論し、公衆トイレ設置の必要性を話し合っています

地図の作成ワークショップでは、村のボランティアが集会所の床にウィズアの地図を描き、女性のグループ、乳児の母親、学生、教師、若者、部族のグループ、村長、高齢者、採掘労働者グループ、組合、宗教団体などからの参加者がその様子を見守ります。ここで参加者に課題が出され、村にある施設や設備を意味する物体を各自選んで床の地図上に置いていきます。こうして出来上がった地図によれば、現在、村にある施設としては、機能している手押しポンプが数機のほか、診療所・学校・交番・裁判所・役場がそれぞれ一つずつ、携帯電話の電波塔が二つ、複数の教会・モスクなどがあることが確認されたものの、公衆トイレについては一つも設置されていないことが明らかになりました。

村のボランティアが床にウィズア村の地図を描いている様子

村にはほとんどトイレがない

ウィズアはほとんどの家庭にトイレがありません。そこで、用を足すために藪に入ったり、草原に出て行ったり、川を利用したりしています。

屋外での排泄は環境を汚染し、下痢・コレラ・赤痢・腸チフスなど健康上の問題を多数引き起こします。ウィズア村では上述の藪・草原・川などがトイレ代わりとなっているため、住民は糞尿が混入した水を飲み、家事にこれを利用しています。ネズミ・ハエ・ゴキブリなどの動物や昆虫が糞尿の病原菌を家庭内に運んでくるため、住民は各種の病気に対して常態的に抵抗力が弱っており、そこから幼児死亡率の高さや栄養失調、病気、ひいては貧困などの問題が引き起こされます。住民からは、下痢・赤痢・腸チフスにかかりやすくなっているという不満が出ていて、その根本の原因は屋外での排便ではないかと考えるようになっています。

トイレ設置の支援呼びかけ

健康はそれ自体が財産であり、健康を手に入れる権利はすべての人にあります。しかしながら、屋外や川で排尿・排便する習慣が長年続いているため、ウィズア村の人々はあらゆる疾病に対する感染リスクにさらされています。住民はこの習慣が原因で自分たちの健康が危険にさらされていることを次第に理解するようになっています。そこで、住民からは、ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリアを始めとする人道支援団体に、村に汲み取り式トイレを設置してほしいと要望しています。

ウィズア村の衛生環境改善について

ダイヤモンド・フォー・ピースでは、ウィズア村に公衆トイレを設置するプロジェクトを検討しています。ご支援いただける方はぜひご寄付をお願いいたします。

ご寄付はこちらのページからどうぞ https://diamondsforpeace.org/supporters/

 

冒頭写真:住民が村の特徴を把握しようとしている様子(DFP所有)