ウィズア村公共トイレ第1号棟 利用者の声

 

2022年3月、地球環境基金の支援により、ウィズア初の公共トイレが完成したことを、前号でお伝えしました。トイレの直接の受益者(利用者)たちもトイレ建設に貢献し、砂、水、レンガなど地元で入手可能な材料を集め、労働力を提供したこともここでお伝えします。

このトイレは、スリップウェイと呼ばれる集落の一角にあります。スリップウェイ集落の別名は「うんち川」で、トイレ建設以前、ほとんどの人が近くの小川で排泄していたため、そう呼ばれるようになってしまいました。本公共トイレは、トイレ周辺に住む21世帯が利用しています。地域住民はトイレを利用するようになり、トイレ建設がタイムリーで助かったと言っています。

利用者たちに、トイレ使用や本プロジェクトについて行ったインタビューを紹介します。

アニーさん(管理人)

自分の住んでいる集落にこのような施設ができて、本当にうれしいです。このトイレができる前、ここはとても臭かったんです。私の自宅近くで無秩序に排泄する住民がいましたから。排泄物の悪臭のため、私たちは安心して食事をすることができなかったのです。私はといえば、家から0.5kmほど離れた川でいつも用を足していました。

私はこのトイレの管理人をしています。トイレをきちんと管理したいので、喜んでこの仕事をしています。以前の悪臭が漂っていた時代には戻りたくないのです。私はトイレ維持管理費用として、1世帯あたり月100リベリアドル(約90円)を徴収する役割も担っています。費用をなかなか払ってくれない人もいますが、トイレを正しく使用し維持するためには、使用者全員が使用料を支払わなければならないので、
私はあきらめずに徴収するつもりです。

管理人かつ利用者でもあるアニーさん

マザー・ワッタさん

この集落には公衆トイレがなく、大変困っていたので、とてもうれしいです。うちの裏庭で夜排泄する人がいたので、家の中でも臭いがしていました。私は何度もこの問題を訴えたのですが、誰も耳を傾けてはくれませんでした。DFPがこのトイレを作るまでは、そのような状況でした。

だから、私は自分の自宅修繕のために集めていた砂を、このトイレ建設に提供したのです。このトイレができる前は、沼を渡って茂みで排泄していましたが、特に雨季は沼を渡るのが大変でした。

しかし、集落にトイレができたことで、排泄のために沼地を渡る必要がなくなりましたし、近所の人たちがうちの裏庭をトイレに使うこともなくなりました。この集落は見た目もよくなり、悪臭もしなくなりました。誰もが新鮮な空気を吸えるようになったのですから、このトイレの存在にとても満足しています。

マザー・ワッタさん(右)とインタビューしたDFPスタッフ(左)

カンダカイさん

私は5年間ウィズアに住んでいますが、DFPが建設したこのトイレ以外、この村のどこにも公衆トイレはありません。このトイレができる前、この集落はとてもひどい状態でした。 人糞があちこちに散乱していたのです。私はというと、昼間は川を下って排泄し、夜はビニール袋に排泄し、近くの沼に捨てていました。私や家族にとって本当に恥ずかしいことでしたが、他に選択肢がなかったのです。

今ではビニール袋や野原、家の近くで排泄することもなくなり、集落は良い香りに包まれ、見た目も良くなりました。DFPと支援者の好意に感謝しています。

カンダカイさん

まとめ

住民たちは、トイレがあることで安心して暮らせるようになったと証言しています。ウィズアの他の集落では野外排泄がまだ行われていますが、公共トイレ第1号棟ができたことで、「うんち川」付近での排泄は激減しました。現在、DFPは、野外排泄を減らし村の衛生と環境を改善するために、村の要望に応じて2つ目の公共トイレの建設を支援しています。また、村のトイレ管理委員会がトイレ使用料を徴収し、適切に維持管理できるようになるための支援も継続して行っています。

 

 

冒頭写真:ウィズア村公共トイレ第1号棟の現在の様子(2022年10月ダイヤモンド・フォー・ピース撮影)