ダイヤモンド・フォー・ピースによる「リベリア新型コロナウイルス感染症緊急支援」への温かいご支援・ご協力をありがとうございます。
5月11日から6日間、第1次緊急支援としてダイヤモンド・フォー・ピース・リベリア事務所が所在するマギビ州カカタ市マンディンゴ地区で、手洗い設備を持たない特に貧しい70世帯・758人に対し、衛生用品(手洗い用バケツ、石けん、布マスク)の配布、新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報の提供、および衛生指導を実施しました。また、5月18日から20日まで、第1回モニタリングを実施し、対象世帯の人々が手洗いや外出時にマスク着用をしていることを確認し、石けんを追加配布しました。
●2020年5月26日現在の配布状況
対象世帯数 | 対象人数 | 配布済手洗いバケツ数 | 配布済石けん数 | 配布済マスク数 |
70 | 758 | 70 | 420袋 | 700 |
リベリアの多くの世帯は、貧困のため1世帯で1つの家を借りることができず、2-3家族が一部屋ずつ借上げ1つの家に同居しているケースが多いため、そのうちの一人が新型コロナウイルスに感染すれば同居者全員が感染するリスクの高い状況です。今回衛生用品を配布した世帯の多くは10-20人程度が同居しており、その多くは子どもたちです。
手洗いバケツのない家庭では、井戸から汲んできた水をプラスチックのボトルに入れて手洗いを実施しているところもありましたが、ボトル自体が不衛生でサイズも小さいため、しっかり手洗いすることができません。今回の緊急支援では、新型コロナウイルス感染症の予防方法と手洗いの重要性に関して、啓発チラシを用いながら1軒1軒訪問し、説明しました。
現在、リベリアでは都市封鎖は緩和されていますが、夜間外出禁止令は継続しており、日中(6:00-18:00)の外出時にはマスクの着用が義務付けられています。
衛生用品を受け取った人々からは、マスクを着けていないことを理由とする警察に捕まる心配や、新型コロナウイルスに感染するリスクを低減して食料品の購入のため市場にいける、家族を養うため仕事にいける、家族みんなの健康を守ることができる等たくさんの感謝の声を頂いています。
ダイヤモンド・フォー・ピースでは新型コロナウイルス感染症が収束するまで、引き続き衛生用品を必要としている人々への支援を続けて行く予定です。
第2次緊急支援として、手掘りダイヤモンド採掘地域のウィズア村を支援する予定で準備を進めています(2020年5月26日現在)。あなたの応援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
2500円で1世帯への衛生用品を支援できます!
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リベリア人スタッフによる現地からのレポート
緊急支援受益世帯の特定
第1次緊急支援対象地区として、ダイヤモンド・フォー・ピースのリベリア事務所のあるマンディンゴ地区を選定しました。マンディンゴ地区は約6,000人が住む大きな地区のため、その中で緊急物資を受け取る特に恵まれない家庭を特定しました。ここでの「特に恵まれない家庭」とは、手洗い用バケツを持たない最貧困家庭を指します。私たちは大まかな評価を行い、70世帯を特定しました。
地区指導者による配布・啓発活動の承認
私たちは、配布および啓発活動を実施するため、次に地区指導者の承認を得ました。
対象地区への適切な介入のため、指導者や主要関係者に会い、私たちの使命と実施予定内容を説明し、活動を円滑に実施するための許可を得る必要があります。私たちは地区の指導者たちに面会・説明し、最貧困層の70世帯に手洗い用バケツ、石けん、布マスクを提供し、新型コロナウイルス感染症の正しい知識や予防法を啓発する許可を取り付けました。
衛生用品の配布と啓発
私たちは3名のスタッフ(男性2名、女性1名)による配布チームを結成しました。配布は6日間に渡り、1日目から5日目まで毎日12世帯、6日目には10世帯に配布しました。1世帯分の物資は、手洗い用バケツ1個、石けん3袋、布製マスク8枚、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識や手洗い方法が書かれたチラシ1枚です。8人以上の家族には、追加のマスクを配布しました。私たちは配布中、新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報を伝えることに時間を費やしました。頻繁に手を洗うこと、外出時には特にマスクやフェイスシールドを着用すること、他人との距離を保つこと、握手やハグ、キスを避けることが安全を保つために必要な予防策であることを説明し、理解してもらいました。
対象世帯の人々は衛生用品の受領に感謝していました。彼らの経済力では購入できなかった必需品を受け取り、感染リスクを抑えられるようになることを嬉しく思っているとの言葉を頂きました。
受益者のうち、マーティンさんとビクターさんを紹介します。
マーティンさんのその後
受益世帯の特定時に、私は最貧困層であるマーティンさんの話を聞きました。(その時の話はこちら)。配布後、マーティンさんはどうしているでしょう?私は再度、彼の話を聞いてみることにしました。
マーティン氏:
新型コロナウイルス感染症と戦うために必要な必需物資をくださったダイヤモンド・フォー・ピースに感謝しています。手洗いバケツと石けんを使い私の家族は頻繁に手を洗うようにしていますし、それが私たちの安全を守ってくれています。政府の厳重な封鎖措置が少し緩和され、毎日6時から18時までの間、食料を探しに出かけることができるようになりました。ダイヤモンド・フォー・ピースに支給された布マスクを着用し、外で会う人たちからウイルスをもらうことをあまり恐れずに、勇気を出して日雇いの仕事を求めて外に出ることができるようになりました。一方で、私がマスクをして社会的な距離を保っているので、人々も私がウイルスを誰かに感染させることをあまり心配していません。まだ元の生活には戻っていませんが、私は家族の食料をなんとか得ることができます。しかし、非常食として米を中心とした食料品を提供してくれたら嬉しいです。
ビクターさんの話
ビクターさんは車椅子に乗っている障がい者で、51歳の男性です。妻と3人の子ども、2人の親戚を預かっている7人家族です。ビクターさんは靴の修理をしながら、地元で作られた帽子や笹の葉で作られたバッグを売っています。しかし、新型コロナウイルス感染症は彼の商売を中断させ、生活をさらに苦しい状況にしています。
ビクターさんは、自分の家族が緊急配布物資の恩恵を受けていることを嬉しく思っていると言っています。彼の家族は、ウイルスに感染する心配をあまりせず、公共の場でのマスク着用を取り締まる警察に捕まることもなく、市場で食料品を買うために公共の場に出かけることができるからです。緊急物資の供給を受ける前は、マスクを着用することができなかったため、彼らは家からほとんど出ることができませんでした。しかし今では、ビクターさんは毎日自分の店に通い、靴の修理や地元で作られた帽子の販売を再開し、家族は生き残っています。
ダイヤモンド・フォー・ピースの介入により、マンディンゴ地区の70世帯が新型コロナウイルス感染症と戦うための基本的な物資と知識を手に入れました。しかし、この戦いには、リベリアのすべての人が参加しなければなりません。多くの恵まれない家族が、家族の安全を守るために、ウイルスと戦うための基本的な衛生用品を必要としています。
ダイヤモンド・フォー・ピースでは新型コロナウイルス感染症が収束するまで、引き続き衛生用品を必要としている人々への支援を続けていきます。あなたの応援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
2500円で1世帯への衛生用品を支援できます!
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温かいご支援をありがとうございます!
【関連ページ】
・リベリアにおける新型コロナウイルス感染症緊急支援(2020年5月9日)
・経済協力開発機構(OECD)責任ある鉱物サプライチェーンに関する市民社会ネットワークの声明(2020年5月13日)
写真:ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリア撮影(2020年5月)