特定非営利活動法人ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)は、2023年5月11日にウェビナー「宝石鑑定士の衝撃『ダイヤモンドの中身は水!?』〜リベリアの採掘村に伝わる10の迷信〜」を開催し、28名の方に参加いただきました。
ウェビナーの様子はこちらからご覧いただけます。https://youtu.be/1MmegrQmkQ0
2022年にリベリアのダイヤモンド採掘者を対象に実施した2つの研修を通じて、採掘村に伝わる様々な迷信が明らかとなりました。これらの迷信から採掘村の置かれた環境・状況を紐解き、自立支援の重要性を示しました。
【ウェビナープログラム】
- ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)について
- 宝石鑑定士ベス・ウエスト「ダイヤモンド原石評価基礎研修」
- 「責任あるダイヤモンド採掘の基礎ワークショップ」を通して明らかになった迷信と今後の活動
- 質疑応答
- お知らせ「ダイヤモンド・フォー・ピースの活動への参加方法」
DFPの団体概要説明の後、2022年4月に「ダイヤモンド原石評価基礎研修」の講師を務めたべス・ウェスト氏が動画出演し、研修の概要と研修から得られた教訓を紹介しました。科学的根拠や市場価値に基づき仕事をしてきた宝石鑑定士であるウエスト氏の戸惑いとともに、現地の採掘者たちが信じる「ダイヤモンドは飛行機を飛ばす」「赤いダイヤモンドには価値がない」「ダイヤモンドの中身は水だ」といった迷信を紹介しました。これらの多くの迷信が、採掘者たちがダイヤモンドを適正価格で販売することの妨げになり、ひいては彼らが貧困から脱却できない大きな要因となっていることを明らかにし、正しいダイヤモンドの評価方法を採掘者に伝えることの重要性を示しました。
続いて、DFP代表理事の村上より、2022年12月に実施した「責任あるダイヤモンド採掘の基礎ワークショップ」で明らかになった迷信と今後のDFPの活動を紹介しました。本ワークショップは、採掘専門家ケーレン・ブーランド氏(米国)の指導のもと行いました。
本ワークショップを通じて、採掘者たちが、「ジーナ(女悪魔)が地中のダイヤを支配している」「ダイヤには磁力がある」「ダイヤは他の石より下に沈む」をはじめとする科学的根拠と相反する言い伝えを信じていることが分かりました。これらの迷信のため、大きなダイヤモンドの存在に気付かず捨ててきていた可能性も示唆されます。実際に、DFPが活動する採掘村で見つかった過去最大の200カラットのダイヤモンドは、採掘者が掘り終わった後に通りかかった人が発見したと言われています。迷信は採掘者たちの長年の観察に基づくため、観察内容そのものは正しいものの、導く結論が間違っていることが明らかになりました。言葉による説明では迷信をくつがえすことは困難ですが、一緒に実験して目の前で事実を示すことにより、それが可能となります。
ご参加の皆さまからは、「採掘村ではどのくらい市場価値を下回った価格でダイヤモンドが取引されているのか?」、「採掘者に占める女性採掘者の割合は?」、「リベリアにおけるブローカーライセンスの許認可取得の実態」など、ダイヤモンドを取り巻く課題に深く関わるご質問をいただきました。
最後に、DFPの活動への皆さまのご参加方法を紹介するとともに、法人会員「MIOHARUTAKA」のデザイナー春高未欧様からいただいたメッセージをご紹介しました。春高様からは、ジュエリーブランドとして、DFPの目指す社会の達成のためにできること等、力強い言葉をいただきました。
DFPでは、引き続き広く多くの皆さまにダイヤモンドを取り巻く課題や解決への取り組みを知っていただくために、このようなウェビナーを開催する予定です。
本ウェビナーの録画はこちらからご覧ください。