2016年、世界は激動を予感させる年でした。
英国のEU離脱賛成の国民投票、トランプ氏の大統領選勝利、終わらないテロ行為による憎しみの連鎖。世界の国々が内向きになりつつある原因の一つは、他国(他者)の搾取によって自国に格差が生じていると感じることではないでしょうか。
ダイヤモンド業界にその最たる例が見られます。アフリカの最貧国で食事の支給のみで働く採掘 労働者と彼らを搾取して巨額の富を得る仲買人や先進国の企業。ダイヤモンドの利益は、アフリカの産出地域にはほとんど還元されていません。
テロ組織がアフリカに徐々に浸透しつつある今、採掘以外の仕事がないため仕方なく採掘労働をしている人々をテロ組織が口説けば、報酬が欲しい彼らは簡単にテロ組織の一員になることでしょう。
日本にいると、このようなことはどこか遠くの国で起こっている自分に関係のないことだと、つい思ってしまうこともあります。しかし、昨年バングラデシュで多くの日本人が犠牲になったような事件が、またどこかで起こる可能性は十分にありえます。
世界のどこか遠くの国の誰かの不幸は、回り回っていつか私たちのところにもやってくる、そう思えて仕方ありません。
今こそ、内向きになって自分達のことだけを考えるのではなく、世界の遠くの国の人々が幸せになることが私たちの幸せにもつながると考える時だと思います。
その活動の一つとして、ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)は、フェアなダイヤモンドを実現するためのプロジェクトの内容を設計するため、今年度、西アフリカのリベリア共和国で調査を行っています。
今年はプロジェクトの詳細を策定し、2017年度にプロジェクトを開始できるよう準備を進めて参ります。また、それ以外にも、これまで誰も行わなかった面白い企画を水面下で進めていますので、楽しみにお待ちください。
本年もみなさまの応援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2017年1月吉日
特定非営利活動法人ダイヤモンド・フォー・ピース
代表理事 村上千恵
冒頭写真:リベリアでスタッフの結婚式にてDFP関係者集合写真