ウィズア村はリベリアのバポル州にある田舎で、川に囲まれた美しい場所です。ここは、川、森、ダイヤモンドといった豊富な自然資源に恵まれています。景観も美しく、多くの丘、谷、平地があります。
ウィズア村にはおよそ5,000人の住民がいます。住民の多くは、主にダイヤモンドの手掘り採掘者です。彼らの多くは、ダイヤモンドに惹きつけられて、他の場所から移ってきました。住民の主な収入源は、ダイヤモンド採掘と農業です。しかしながら、自然資源が豊富であるにもかかわらず、住民はひどい貧困の中で暮らしています。実際に、彼らの多くは1日1食の食事を取るために、休みなく毎日働かなければなりません。したがってより良い家に建て替える余裕はなく、数十年前に建てられた老朽化した家に住んでいます。
暴風による被害
2024年4月14日の日曜日に、凄まじい暴風がウィズア村を襲い、住民の家々に甚大な被害が及びました。目撃者によると、暴風は約1時間続き、72軒の家を壊し、数人の住民が家を失いました。9軒の家は屋根が完全に飛ばされるといったひどい被害を受け、63軒の家は部分的に被害を受けました。暴風によって、住民の家だけでなく個人の所有品も被害を受けました。幸いにも怪我人や死者はいませんでした。しかしながら、この災害は住民たちに深刻な課題を突きつけました。暴風は彼らの生活に悪影響を与えています。彼らには壊れた家を修復するお金の余裕がありません。毎日の食事のために働かなければならないのに、毎日の仕事を中断し、家の修復に時間を使わなければいけませんでした。
暴風による家屋倒壊の要因として知られているものとは?
暴風は度々リベリア中の多くの住居に損害を与えてきた自然災害です。被害は甚大な時も、ごく僅かな時もあります。この自然災害は、通常リベリアでは、毎年9月と10月の雨季や乾季の始めの11月に起きます。しかしながら、1年を通して、突発的に発生することもあります。温かい海水や気候変動が原因で暴風が発生し、住居や他のインフラに被害を与えます。ほとんどの場合、被害を受けるのは状態の悪い家です。ウィズア村の家の多くは、粗末で、老朽化が進んでいることから、暴風や強風に弱いのです。 森林や地域に植えられた木は、風除けの役割を果たします。木々は暴風の被害から住民の家を守ります。しかし、この村の中心部には木が少ないのです。また、この地域のダイヤモンドの手掘り採掘活動は、森林伐採の原因にもなっています。そのため、住民の家は風による被害を受けやすくなっています。
どのような支援がされたのか?
バポル州のバーマ地区とコンバ地区を代表する下院議員のムスタファ・ワリタイ氏とバポル州上院議員のボトエ・カネー氏が被災地支援を行いました。両者は共同で25袋のお米、200束のワイヤーと釘といった金属製の屋根の材料を提供しました。また、被害を受けた家屋を再建するために、電動ノコギリ2台も寄贈しました。電動ノコギリを除くこれらの品々は、暴風の被災者に各戸の被害レベルに応じて配布されました。ダイヤモンド・フォー・ピースの現地スタッフが、2024年5月初旬に視察をした際、被災者の多くは寄贈された金属と釘を使って屋根を修復していました。修復作業をする間は、寄贈されたお米を食べていました。屋根は修復することができましたが、特に家屋に甚大な被害を受けた人たちは、壊れた天井の修理や、被害を受けた物の買い替えが必要です。
まとめ
暴風や他の自然災害は今後も常に起こりえますし、我々はそれらを止めることもできません。最も大切なことは、自然災害が発生したときに、被害を防ぐためにどのような備えをするかということです。ウィズア村の場合、住居の近くに、もっと木々を植えることを検討し、風除けとなる森林の伐採を最小限にすれば、被害の再発を防ぐことができるでしょう。
冒頭写真:暴風によって完全に屋根が飛ばされたウィズア村の組合員の家