中央アフリカ共和国におけるダイヤモンド禁輸措置解除の可能性

【2015年3月26日(木)中央アフリカ共和国=イリヤ・グリッドネフ(ブルームバーグビジネス)】

紛争地域から産出されるダイヤモンド原石の取引停止に努める国際的な枠組みキンバリープロセスが来月、中央アフリカ共和国の宝石業に対する禁輸措置を見直す予定であることが、欧州連合(EU)の関係者によって明らかになりました。

業界関係者、市民団体、キンバリープロセス参加国の代表者から成る「評価使節団」が、4月28日から5月5日まで現地訪問すると欧州委員会外交政策措置実施担当部のヨリス・ヘーレン副部長が25日、記者の問いに対して回答しました。

ヘーレン副部長は「現在実施している禁輸措置を解除する決定は、キンバリープロセス全参加国の合意をもって行わなければならない」と述べました。

中央アフリカでは、2013年3月にフランソワ・ボジゼ前大統領がイスラム教徒主体の反政府軍セレカによって追放されて以降、暴動が勃発していました。キンバリープロセスは2か月後、紛争ダイヤモンドが輸出商品から完全に無くなったかどうか断定できないとして、中央アフリカ産のダイヤモンドの取引を禁止しました。

国連によると、中央アフリカの内戦で、少なくとも3,000人が死亡、250万人以上が緊急人道支援を必要とし、約100万人が近隣諸国や難民収容施設に避難したといいます。

 

並行のシステム

キンバリープロセス中央アフリカ事務次官のドミニク・ユーアン氏は1月、首都バンギでの会見で、禁輸措置によって、中央アフリカ政府は打撃を受けた経済を立て直すのに必要な収入源を奪われていると述べました。国際通貨基金(IMF)の推計では、中央アフリカの経済成長率は2013年に36%マイナス、昨年はわずか1%だったといいます。

ダイヤモンドの禁輸措置は、認可を受けているダイヤモンドの会社が宝石を備蓄している一方で、不法にそれらを密輸している者がいるという『並行のシステム』を生み出しているとユーアン事務次官は言い、「もし禁輸措置が解除されなければ、その不法なシステムをさらに強化することになり、今後、解決することが一層困難になる」と語りました。

米国地質調査所によると、中央アフリカは2012年、金額ベースで世界第10位のダイヤモンド産出国だったといいます。また、ダイヤモンドの採掘量が2011年では6,100万米ドル(約73億円)、2012年には6,200万米ドル相当(約74億円)であったと、キンバリープロセスは見積もっています。

ベルギー北部アントワープを拠点とする調査団体、国際平和情報サービスは、中央アフリカの約30%のダイヤモンドと約95%の金が密輸出されていると伝えています。

 

密輸されるダイヤモンド

中央アフリカを担当する国連専門家パネルの責任者であるオーレリアン・ロルカ氏は記者に対して、禁輸措置の導入以降、少なくとも14万カラット、金額で2,400万米ドル相当(約28億円)のダイヤモンド原石が密輸出されていると話しました。

チャールズ・マリーナ駐中央アフリカ仏大使はバンギでの会見で、フランスは中央アフリカ西部における禁輸措置を一部解除することに同意するとした上で、「これは良い考えだが、我々全員が十分に注意を払う必要がある」と述べました。

キンバリープロセスとは、ダイヤモンド原石の購入が武装勢力による暴力行為の資金源にならないようにするために2000年に結成された国際的枠組みで、米国、EU、ロシア、中国、南アフリカを含む81か国で構成されています。

ノーベル平和賞候補になった非営利団体、パートナーシップ・アフリカ・カナダのバーナード・テイラー代表理事は、キンバリープロセスが政府の管轄している地域における禁輸措置の解除を検討する可能性を指摘し、それは枠組みの指針に従って検討されるだろうと話しました。また、テイラー代表理事はカナダの首都オタワからメールで「もしそうならば、その地域から産出されたダイヤモンドの禁輸措置は理論上、解除されることになるだろう」と述べた上で、「これは未だ判断が下されていない」と答えました。

 

ダイヤモンド採掘現場の保護

国連の専門家パネルは昨年10月、中央アフリカにおいて「武装勢力や犯罪組織が天然資源を不正利用することを防ぐ」目的で、国連安保理事会に国連平和維持軍の派遣を認めることを薦める報告書を提出しました。

国連中央アフリカ共和国ミッション(Minusca)のミリアム・ディサブラ広報官は、問い合わせに対してメールで、採掘現場の保護は政府の責任だと答えました。併せて「安全保障理事会はMinuscaに対して、採掘現場や採掘活動の保護や視察を行う指示を出さなかった」と述べました。

ニューヨークを拠点とする業界団体、世界ダイヤモンド協議会のエドワード・アッシャー代表はメールで、我々はキンバリープロセスを支持しており、その見直しが実施されたらコメントを出すと答えました。

 

※本記事は米国の情報誌「Bloomberg Business」に掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「 Embargo May Be Lifted on Gem Trade in Central African Republic」
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-03-25/gem-trade-in-central-african-republic-may-have-suspension-lifted (2015年4月17日閲覧)

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