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リベリア(ウィズア村)のダイヤモンド採掘地域の問題点-未熟なインフラと労働者の貧困-

リベリアのダイヤモンド手掘り採掘地域の概況

リベリアでは、多くの手掘りダイヤモンド採掘村が、未熟なインフラという問題を抱えています。手掘りダイヤモンド採掘関係者たちは、ダイヤモンド原石を求めて、採掘村から別の採掘村へとよく移住します。このことから容易に想像できるように、採掘権の保有者はしばしば異なるコミュニティの出身者が集まり、ダイヤモンド採掘コミュニティに採掘目的で定住します。その中でも、採掘労働者たちは頻繁に移住を繰り返します。彼らは、採掘権を持っていませんが、かえって移住には都合がよく、身軽に採掘村を移って行くのです。手掘り採掘関係者は、巨大なダイヤモンド原石を見つけると、荒れ果てた採掘場を去り、家族や家のために故郷へ帰って行きます。つまり、ダイヤモンド採掘村は、定住することのない「収穫するためだけの農場」としてしか考えられていないのです。

そして、手掘りダイヤモンド採掘労働者が、自分たちのダイヤモンドに対して適正な価格を付けられない、ということも常態化しています。これは、「資金提供者(サポーター)」と呼ばれる人々にダイヤモンド原石を売却しなければならないことに関係しています。資金提供者が鉱山運営費用の一部を負担しているため、採掘労働者はダイヤモンド原石を資金提供者に対して売却しますが、売却価格は彼らの言い値となってしまい適正な利益を得られないのです。こうした現状が何十年にも渡り現地のインフラ整備を妨げており、リベリアのほぼ全てのダイヤモンド採掘村に見られる共通の現象となっています。

 

手掘りダイヤモンド採掘労働者の住まい

一般に、ダイヤモンド手掘り採掘労働者が住んでいるのは、粗末な家で、良質な住居を構える余裕はほとんどありません。彼らの住居は世界でも最も貧疎な家屋とされています。ダイヤモンド原石は豊富に掘り出せても、自分の家を建てるのに活用できる資源は、手近にある森林・かん木を切り出すしかないのです。

水と公衆衛生

安全な飲み水と公衆トイレの確保は、手掘りダイヤモンド採掘村が直面する大きな問題です。多くのダイヤモンド採掘村では手押しポンプを作ることができず、汲み取り式トイレですら製作できないのです。こうしたサービスはNGOや政府頼みとなってしまっています。

 

ウィズア村はリベリアの歴史的な採掘地域の一つ

ウィズア村はリベリア西部のバポル州に位置し、リベリアの歴史あるダイヤモンド採掘村の一つとして知られています。1960年代初頭にこの地域でダイヤモンド原石が発見されたのを機に、リベリア各地からダイヤモンド原石を求めて人々がウィズア村へと移住してきました。このダイヤモンド採掘村の主力となっていたのは、採掘労働者、仲買人、輸出業者とその家族です。ダイヤモンド・フォー・ピースのリベリア現地スタッフの父親の話によると、父方の祖父が長年に渡り、このダイヤモンド採掘村で採掘権を保有し、経営に当たっていたそうです。人々が採掘し、産出したダイヤモンド原石は大量、かつ、高価なものでした。当時、リベリアのダイヤモンド産出としてウィズア村は人々の話題になるほど有名でした。ダイヤモンド産出量が豊富だったため、昼食をとるだけの目的でウィズアから首都モンロビアまで空路で移動することもあったそうです。

70年代後半から80年代初頭にかけて、ダイヤモンド採掘村の住民が関心を寄せたのは、ウィズア村につながる道路の建設でした。彼らが道路の問題を重視したのは、道路がこのダイヤモンド採掘村へ出入りする唯一の手段だったためです。しかしながら、この地域では大量のダイヤモンド原石を産出してきたにも関わらず、老朽化した建物が数多く残されたままで、劣悪なインフラは変わっていません。住民は古い住居を修復する資金さえ、十分に賄うことができない状態に置かれています。

 

ウィズア村の道路と橋

長年に渡り、高価な巨石のダイヤモンドを大量に産出してきたにもかかわらず、未だに劣悪なインフラの問題を抱えているウィズア村の道路は、未整備のままです。自動車でのアクセスを改善すべく、努力が続けられてきましたが、大小の河川に橋を架けるには難題がありました。なぜならウィズア村はほぼ全面を川で囲まれた村なのです。

住民は、70年代に、この村につながる唯一の自動車用道路を造りました。

道路が建設された後にも、橋の建設は深刻な問題でした。現在、バイクや車が道路を行き来していますが、雨季がやってくると川を渡るのは難しくなります。それは、多くの橋が地元住民によって造られ、短期間のうちに傷んでしまうためです。

道路が建設される以前、村への出入りには何マイルもの道のりを歩かなければなりませんでした。自動車用道路がなかったため、ダイヤモンド採掘権保有者、仲買人、輸出業者は、採掘場へ素早くアクセスするのに、飛行機を利用していたのです。

政府と中国企業

近年、リベリア政府は、道路補修や橋梁建設に中国企業を投入しています。事業は進行中ですが、作業は非常にスローペースで、道路利用者はなお不利益を被っています。建設中の橋には、現在、既に使用されているものもありますが、これから建設が始まるものもあります。

 

これは、写真上部の小川を渡る裏道で、利用できるのはバイクのみです。

 

資金提供者に依存しない未来

手掘りダイヤモンド採掘関係者が現在置かれている状況の中、労働環境や生活環境の改善を勝ち取るのは、大変難しいでしょう。絶望的な貧困状態の中で、何十年にも渡って働きながら、それでもなお、自分たちの鉱山運営を搾取的な資金提供者に依存し続けなければならないからです。

手掘り採掘関係者に必要なのは、ダイヤモンドを適正価格で売却できる環境なのですが、それを阻むのが資金提供者の存在です。資金提供者は鉱山運営費用を負担していますので、ダイヤモンド原石を自分たちの利益が最大になる価格で買いとろうとします。採掘関係者が資金提供者との関係を絶つには、自分たちの採掘権の管理運営をバックアップできる財力を持つことが条件になります。もしもこれができれば、労働・生活環境の改善に向け、新しい未来への一歩となるはずです。

 

冒頭写真:数多くの建設中の橋の一つ(DFP所有)

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