私は自分の婚約指輪をきっかけに、ダイヤモンドの裏の問題を知るようになりました。

愛や幸せの象徴として使われるダイヤモンドが、人や環境を搾取して採掘・カットされ私たちの手に届いているケースがあると知り、「これでいいのだろうか」と思ったことを覚えています。

自分に何かできることはないかと考えた結果、自分の国際協力分野での経験を生かし、ダイヤモンド関連労働者の労働環境や社会的立場改善につながる活動ができるのでは、と思うようになりました。

私はアフリカのケニアに住んでいたことがあります。日本は高い技術力を持つ国としてアフリカの人々から尊敬されており、また、アフリカを植民地化したことがないことから、彼らが欧米人に対して持つ複雑な感情とは異なる良い印象を日本人に対して持っていると感じました。

そのような背景を踏まえると、特にアフリカにおいて、日本の団体そして日本人が果たせる役割は大きいと考えています。先人の方々が築いて下さった礎の上に、今できることをひとつずつ積み上げていく所存です。

ダイヤモンド・フォー・ピースはまだ若い団体ですが、ここまでの道のりにおいて多くの方々の応援・ご支援・ご尽力がありました。ありがとうございます。

これからの私たちの旅路には紆余曲折や苦難があるでしょう。従来の常識を打ち破る新しい考え方で、それらを一つずつ乗り越え、ダイヤモンド・フォー・ピースに関わるダイヤモンド関連労働者や支援者のみなさまが笑顔になれる日を信じて、活動を続けて参ります。

2014年10月
特定非営利活動法人 ダイヤモンド・フォー・ピース
代表理事 村上 千恵

Chie Murakami Portrait

〈略歴〉

村上 千恵
特定非営利活動法人 ダイヤモンド・フォー・ピース 代表理事
国際開発コンサルタント
学習院大学経済学部経営学科卒業
ジョージワシントン大学大学院国際開発学修士課程修了

1997年夏 南アフリカ共和国ヨハネスブルグのNGOでボランティア
1998年~1999年 ハイチ共和国にてローカルコンサルタントとして活動
1999年~2001年 国際協力事業団(現国際協力機構、JICA)ラオス事務所にて、案件監理、新規案件発掘業務、調整業務に携わる。
帰国後、広告代理店、ビジネスコンサルティング企業勤務を経て、個人事業主として独立し教育事業を運営する。
2008年 結婚。自身に贈られた婚約指輪をきっかけに、ダイヤモンドの裏の問題に気づく(零細採掘労働者の極度の貧困、児童労働、強制労働、暴力、紛争ダイヤモンド、環境破壊など)。愛や幸せの象徴として贈られるダイヤモンドにそのような問題があると知り、そんな現実はおかしいと思い始める。
2009年~2011年 国際協力機構(JICA)技術協力プロジェクト ケニア国ニャンザ州保健マネージメント強化プロジェクトに、IEC教材開発/業務調整専門家として単身赴任。ケニアに赴任中、ダイヤモンドの裏の問題解決に貢献できないか考え、フェアトレードの手法が使えるのではという結論に辿り着く。
2012年 横浜ビジネスグランプリ ソーシャル部門 入賞
2013年 Entrepreneur Weekend及びSocial Capital Markets2013に初めての公認日本人起業家として参加。
2014年5月 ダイヤモンド・フォー・ピース創業(活動開始)
2015年3月 NPO法人として登記

著書(小冊子):「海の向こうの真実」