質問に答えないリベリア人

執筆:DFPリベリアスタッフ

リベリア人は、人からの質問に対して直接的に回答せず、間接的な表現に含みを持たせるという傾向があります。例えば、典型的なリベリア人に質問をすると、彼は直接質問には答えず、逆に質問の内容についての質問を返します。

かつて、アメリカ人がリベリアにやって来て、本当にリベリア人は質問に答えないのかを確かめようとしたことがあるといいます。そのアメリカ人がリベリアに到着し、空港で最初に出会ったリベリア人に対し、「リベリア人が質問に答えないというのは本当ですか?」と尋ねました。すると質問を受けたリベリア人は、肯定や否定の言葉の代わりに、「誰がそんなことを言ったのですか?」と返答しました。その後、そのアメリカ人は首都モンロビアに行き、2番目に出会ったリベリア人に「ここはモンロビアですか?」と尋ねました。すると2番目のリベリア人は「わからないのですか? 字が読めないのですか?」と答えました。そしてそのアメリカ人は、リベリア人は直接的に質問に答えない、直接的に回答することに課題があると結論付けました。このようなふるまいはリベリア人にとって日常茶飯事です。リベリア人は、質問者は質問をする前に既に多くの知識を持っていると考えています。

このふるまいについて、リベリアで人気のミュージシャンは「あなたは誰(Who are you?)」というタイトルの曲を作りました。その中で、「この世界には3つの人種が住んでいる。白人、黒人、そしてリベリア人だ。白人にあなたは誰と聞けば、私は白人と答える。黒人にあなたは誰と聞けば、黒人と答える。けれどリベリア人にあなたは誰と聞けば、私が誰かわからないか、顔が見えないか、話し方が聞こえないか、と答える」と歌いました。

社会や国家を特徴づける考え方、価値、ふるまい、芸術、習慣などの文化は、その社会が定義します。もちろんこのような習慣は全てのリベリア人が行うわけではありません。教育を受け、きちんと質問に答えるリベリア人もいますが、これはリベリアの生活を形作る1つの事例です。

 

冒頭写真:ポーズをとるDFPリベリアのスタッフ