リベリアの食生活~リベリア元在住者インタビュー~

2011年8月から8ヶ月間リベリアに滞在していた澁谷郁夫氏に、現地の食生活についてお話を伺いました。

リベリア地図:青線囲みがリバーセス州
リベリア地図:青線囲みがリバーセス州

澁谷氏が滞在していたのは、首都モンロビアから東に車で6時間、リベリア奥地リバーセス州です。
首都モンロビアとは異なる、ディープな現地のお話です。
一部の文章や写真には、刺激が強い内容が含まれますのでお気をつけください。

 

 

 

 

 

 

編集部:リベリアでは何をされていたのですか。

澁谷:日本とリベリアの合弁会社である企業に所属していました。新たにリバーセス州において鉱物採掘事業を開始することになり、作業場建設を行っていました。私が住んでいた集落は、電気・ガス水道・のインフラは全くなく、人口約300人程の街道沿いの集落でした。小さい商店を営んでいる方々がいらして、生活するのに最低必要な物は、購入可能でした。

編集部:現地のスタッフとは、どのようにコミュニケーションを取られていたのですか。

澁谷:リベリアの公用語は英語ですが、地方では各部族の言葉が使われています。私が滞在していたリバーセス州は、「バサ語」という言葉が使われていました。もちろん、私はバサ語は話せませんので、英語とジェスチャーでコミュニケーションを取っていました。

 

ブッシュミート

編集部:現地では、野生動物の肉を好んで食べるとのことですが、どのような種類があるのですか。

澁谷:基本的に、森の中で捕獲したものは何でも食べるようです。サル、シカ、ネズミ、リス、アリクイ、ヤマアラシ、コウモリ、ヘビ、カエル、トカゲ 等々。その他家畜として飼っているニワトリ、ヤギ、ヒツジ、ブタ等も食べていました。これらの肉のことを総称して、現地では「ブッシュミート(Bush Meat)」と呼んでいました。

捕獲したリス
捕獲したリス

今回のエボラウイルス病の蔓延で、政府から「野生動物の肉を食べないように」というメッセージが出ていたようですが、彼らがその指示に従うかどうかは疑問です。なぜなら彼らにとって「ブッシュミート」は、食料として、現金収入源として、生活に密着しているからです。

捕獲したセンザンコウ
捕獲したセンザンコウ

編集部:現地の人は、これらの野生動物をどのように捕獲しているのでしょうか。

澁谷:森に罠をしかけて、数日後に獲物がかかっているかを見に行き捕獲したり、あるいはライフル銃を担いで狩猟に行くようです。また狩りを専門に仕事をする人もいて、我々の職場に売りに来たりもしていました。

虫も貴重な食材、現地の人は「ボコボウ」と呼ぶ
虫も貴重な食材、現地の人は「ボコボウ」と呼ぶ

編集部:どのくらいの値段で買えるのですか。

澁谷:サルを一頭買ったのですが、日本円にして700円程度でした。現地の人にとっては大変なごちそうで、リベリア人の同僚たち10人位と一緒に食べました。サル一頭を余すことなく、脳みそから骨の髄まで完食していました。

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調理方法

編集部:サルをはじめ、野生動物はどのように調理するのですか。

澁谷:基本的には、丸焼きです。しっかりと下処理後、獣肉を焼いて燻製の状態にします。時に内臓を取り出す等の十分な下処理をせずにそのまま焼くので、焼いている最中に体内に溜まっていたガスが逃げ場を失い破裂し、内部の汚物が飛び散ることもあります。火を通しているとはいえ、衛生面に不安が残ります。

調理中のブッシュミート
調理中のブッシュミート

編集部:サルはどのような味でしたか?

何に例えてよいのか非常に難しいところですが、過去には味わったことのない独特な味でした。あえてその味を例えるならば、「獣の燻製の味」でした。

 

ブッシュミート以外の食べもの

編集部:野生動物の肉以外に、どのようなものを食べるのでしょうか?

澁谷:普段の食事は、「ポテトグリーン」「キャッサバライス」という、サツマイモやキャッサバの葉をやしの油で味付けし、ご飯にかけて食べたり、「フーフー」という、キャッサバを日本でお餅のような要領でついたものを食べたり、やしの油を煮詰め 魚や肉を加えソースを作りご飯にかける「パームバター」等を食べています。日本では、さつまいもの葉は食べず「芋」を食べますが、リベリア人は「芋」よりも「葉」が好物であることに驚きました。私は畑でサツマイモ栽培をしていたのですが、リベリア人の同僚たちが「芋」が大きくなる前に「葉」を収穫してしまい、困りました。

サツマイモの葉を刻んでいるところ
サツマイモの葉を刻んでいるところ
ポテトグリーン:サツマイモの葉をやしの油で味付け、ご飯にかけて食べる
ポテトグリーン:サツマイモの葉をやしの油で味付け、ご飯にかけて食べる
パームバター:やしの油を煮詰め、魚や肉を加え、ご飯にかけて食べる
パームバター:やしの油を煮詰め、魚や肉を加え、ご飯にかけて食べる
鍋を火にかけ、スープを煮込んでいる
鍋を火にかけ、スープを煮込んでいる

その他、朝食には「ファリーナ」という キャッサバをすりおろして乾燥させたものに、砂糖、ミルクを混ぜた甘いものを好んで食べていました。

また川沿いの集落だったので、簡易的な釣竿や籠を仕掛けて、川魚や川海老・蟹を捕獲、スープにして食べていました。集落での食事は(ご飯とスープ)は、大体140円で食べることができました。

編集部:リベリアでは、一日何回食事を召し上がるのですか。

澁谷:一日2食という人が多いように思います。1回の食事の準備に2~3時間かけており、1日の1/3は、食事の準備の時間に費やしていました。

澁谷氏が栽培したサツマイモ畑。 撮影の数日後には、葉は収穫され食卓に並ぶことに。
澁谷氏が栽培したサツマイモ畑。
撮影の数日後には、葉は収穫され食卓に並ぶことに。

 

生活の様子

編集部:その他、現地の生活の様子について教えてください。

澁谷:私の職場の近くに小学校がありました。生徒数は約100人、教師は5~6人のようでした。学校には、机・イスはなく、生徒が毎朝イスを持って登校するとのことでした。イスを学校に置きっぱなしにすると盗まれてしまうから、とのことでした。

職場近くの学校
職場近くの学校
質問に答える澁谷氏
質問に答える澁谷氏

編集部:現地の医療機関について教えてください。

澁谷:マラリアは一般的なようです。マラリアにかかっても医療機関に行くことは少なく、村にいる薬売りから薬を購入したり、薬草等の民間療法で治療しているようです。しかし市販の薬の中には効能がないものも含まれているようです。

 

編集部:なぜ医療機関に行かないのでしょうか?

澁谷:医療機関に行っても、薬が在庫切れでもらえなかったり、医療従事者の技量に不信感があるようでした。

 

編集部:本日は、貴重なお話をありがとうございました。

(2014年9月横浜市内某所にて:聞き手 DFP編集部村上、相田)

写真提供:トライ・インターナショナル

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