ジンバブエのダイヤモンド産業には、透明性を重視した抜本的な改革が必要であると、グローバル・ウィットネスが発言

【2015年3月15日 ロジー・チャイルズ(グローバル・ウィットネス)】

ムガベ大統領は、3月3日、自身の92歳の誕生日の会見で、ジンバブエ政府のダイヤモンド部門は150億米ドルの利益を上げたものの、政府はわずか20億米ドルしか受け取っていなかったと述べ、様々な改革案を提案しました。この会見は、採掘に関わる全企業を一つの合同会社に合併するという政府案をめぐっての論争が数ヶ月に及んだことで、全てのダイヤモンド採掘会社の稼働を停止せざるを得ないと、ジンバブエの鉱業大臣が2月22日に発言した後のことです。

「ジンバブエのダイヤモンド産業を根本的に改革しなければならないことは、長年に渡り明らかなことでした。どのような改革にしても、これ以上ジンバブエの治安部門のエリート層がダイヤモンド産業の利益を違法に利用することがないようにしなければなりません。ダイヤモンド産業を完全に透明化する必要があり、関係者は行動に責任を持たなければなりません」と、グローバル・ウィットネスの紛争国・脆弱国担当部長のニック・ドノバン氏は言います。

「奇妙なことに、ジンバブエの法律によると、採掘権は国家ではなく大統領に与えられています。ムガベ大統領自身も、採掘会社の稼働を承認していますが、現在は信頼を置いていないと語っています。過去4年に及ぶグローバル・ウィットネスの調査では、大統領が管轄下の治安部隊のメンバーと、一部の採掘会社の間に結びつきがあることが明らかになりました。大統領は、まるで自分の右手から盗みを働いた左手に文句を言っているようなものだ」とドノバン氏は語ります。

「130億米ドルのお金が本当にダイヤモンド部門から消えてしまったのだとしたら、それは現在の食料危機で、240万人が毎日の食事が十分に与えられていないことを受けて、政府が人道支援で呼びかけている金額の8倍になる」とドノバン氏は言います。「ダイヤモンド部門の改革は、貧困の中で暮らすジンバブエの4分の3近くの人々が、こういった貴重な石から何らかの恩恵を受けるための最後の重要な機会なのです。」

※本記事は、グローバル・ウィットネス「Global Witness」ホームページに掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。

原文:「Global Witness says Zimbabwe’s diamond industry needs root and branch reform with transparency an essential focus」
https://www.globalwitness.org/en/press-releases/global-witness-says-zimbabwes-diamond-industry-needs-root-and-branch-reform-transparency-essential-focus/ (2016年10月9日閲覧)

冒頭写真:ロバート・ムガベ大統領(パブリックドメイン)