採掘権保有者が橋の修繕を支援

ダイヤモンド・フォー・ピース・リベリアスタッフ

ダイヤモンド・フォー・ピースの活動対象村であるウィズア村は小さな河川に囲まれています。これらの河川には粗末な橋しかなく、とりわけ雨季になると、通行には長年に渡り大変な困難を伴っていました。政府はこの事態を打開すべく、安全な橋の建設に取り組もうとしていますが、実際にはほとんどの場合、地域住民が組織的に動き、悲惨な状態にある橋を自らの手で補修して問題の改善に尽力しています。1960年代初頭には舗装道路がなく、ウィズアへのアクセスには飛行機が使われていました。当時から現在まで一貫して粗末な橋しかないことは難題でしたが、安心できる日も近づいています。政府は長年の努力の結果、二つの橋を除き、全ての橋を造ることに成功したのです。残る二つの橋は今年の乾季に工事が予定されていますが、完成までは引き続き、地元住民やこの道路を利用する人たちにとって最大の難所として残ります。

二つのうち、片方はウィーゲイ橋と言います。この橋はこの地域の交通を深刻な危険に晒しているとして、近年、ウィズアのダイヤモンド手掘り採掘権保有者がその修復に資金を投じることを決めました。彼が出した1万リベリア・ドル(約6,700円)の現金で作業員の食事代と電動のこぎりの費用を賄いました。現金を投じて支援した背景には、自身がある日の夜間にウィズアへ向かう途中、ウィーゲイ川を渡る際に困った経験があったのです。その日はひどい土砂降りで、バイクで橋にさしかかると、川は満水で荒れており、車両の通行には大変危険な状態で渡れませんでした。彼はバイクを乗り捨て、かろうじてウィズア側へと渡ることができました。それからすぐに彼は地域の主要関係者を集めて会議を開きました。会議ではウィーゲイ橋の劣悪な状態が報告され、何か行動を起こす必要があるという話が出ました。彼は直近のダイヤモンド売買で手元に現金収入があったため、橋の一時的な補修に必要な資金の提供を申し出たのです。関係者は全員一致で受け入れを決め、補修に必要な作業に作業員を動員しました。この作業には地域の採掘権保有者と年配の人々が協力し、共同作業で橋の建設に当たりました。

 

橋の重要性

橋の修復はあくまでも地域レベルの話だったため、一時的なものにとどまり、自動車の通行に耐える強度はありませんが、この地域の主力交通手段であるバイクは支障なく通行できるため、重要な橋であるのは確かです。さらに、自動車が橋で立ち往生しても、ウィズアまではわずか2キロですので、そこから荷物の搬送も容易です。

 

車が立ち往生すると、物資は人の手で対岸へ運ばれる

 

雨季に車両が渡る地点

協力が解決の糸口

リベリアの農村地域に住む人々は数々の深刻な課題に直面していますが、力を合わせて協力すればその多くは解決できます。中には解決できても長期的な解決にはならずに一時的なものにとどまるケースもありますが、一定期間しのいで地域の日常活動を維持できる場合もあるのです。

川の対岸に渡れずにウィーゲイに停められた車両

 

冒頭写真:地域住民の手で造られた橋の様子(DFP所有)